●お知らせ●・ブログ的独り言
2022-03-27 11:00:00
思考の放棄の放棄
私は月謝をもらって書道を教えているので、質問されたら精一杯答えます。
ただどこまでを思考した上での質問かがわからないと、どこまでを答えるべきか迷います。
単純に正解を知りたいだけの質問には、深く答えても理解が点にしかなりません。
答えに至る過程を知ることで理解は面になり、他の知識に関連・派生します。
当教室で最初から手本を渡さずに、まずは自分で1枚書いてもらうのもその一環です。
特に書道は手本というその場限りの正解を直ぐに求めて、思考を放棄してしまう人が多いです。
手本をコピーしたかのように上手に書けたとしても(必要な通過点ですが)、思考しなければ次に繋がらないのです。
あれだけ手本に書き込みをして、あれだけ書いたのに、数ヶ月後にはその文字を書いたことさえ忘れている経験、皆さんはもう充分にしました(笑)
たった4字や6字でも、理解が点だと記憶に残りません。
それでは手本無しで上手に文字は書けません。
文字は考えないと上手になりません。
なので私は何度でも、最初に「わからない所はありますか?」って聞き続けます。
●どこを格好良くすればよいかわからない
●Aを格好良くしたいけど、どうすればよいかわからない
●Aを格好良くしたいからBをしてみたけど、その先がわからない
●Aを格好良くしたいからBをして、そこからCにもってきて、Aを格好良くしてみた
どのステップだって構いません。
投げやりに「全部!」って言っていた人が思考の過程を話せるようになると、私はすごく嬉しくなります(^-^)
上達の証だから。
わからないから稽古しているのであって、答えがあっているかなんてどうでもいい些末なことです。
ここは拙を貴ぶ仮の舍(やど)、貴拙舎です。
たどった過程を繰り返し言葉にして、理解を深めよう!