●お知らせ●・ブログ的独り言
2022-09-24 11:15:00
♪淨ぉ~蓮んの滝ぃ~🎤(ー▽ー@)
今月の入り口作品は「何て書いてあるんですか?」って質問が多かったです。
私としては「普通に読める作品」を毎回書いているつもりでしたが、書道を生業としている人間の「普通」は普通ではないということを再認識させられました。
、、、
今回は写経講座期間中だったので、「〇〇〇〇浄書」の決まり文句に使われる「淨(浄の旧字体)」を行書で書きました。
皆さんが読めなかった理由を推測すると、、、
●「氵」のつながり
●9画目10画目の連続
●旧字体
が挙げられます。
勿論それらを排除して更に可読性を向上させることも可能ですが、そうすると流動性を失って「楷書に毛が生えた程度の構築性の強い行書」になります。
「楷書に毛が生えた程度の構築性の強い行書」がレベルが低いという訳では無く、そういった書きぶりの国宝級作品も山ほどあります。
ただ今回は「半切(書き初めに使われる大きな紙)に書く一字書」というテーマで作品を書いたので、その為には一本の線が空間を支配する最終画の長さが必要でした。
それを違和感無く魅せる為には●「氵」のつながり●9画目10画目の連続 も必要だった訳です。
、、、
全体のイメージとしては石川さゆりさん「天城越え」の「♪淨ぉ~蓮んの滝ぃ~」のイメージ。
伝統的な書では歓迎されないイメージ表現ですが、たまにはいいかなと。
皆さんに楽しんで頂くための「可読性と流動性のバランス」を考える良い機会に恵まれました。