●お知らせ●・ブログ的独り言
2023-11-07 11:00:00
●2023 芸術祭書道展 総括●
10/27(金)~29(日)に開催された座間市民芸術祭の書道展が無事に終わりました。
お越し下さった皆様、ありがとうございました。
来場者や感想は昨年とほぼほぼ一緒なので、再読頂けたら幸いです。
2022 座間市民芸術祭の総括はこちら↓↓↓
https://kisetusya.com/info/4825670
最後に昨日返却された、私の出品作品をご紹介して今年の書道展を終わりにします。
教室の裏口ドアにあるので、是非実物を見て下さいね。
、、、
作品名
「中華三昧、、、リズム三十一(みそひと)」
今年のテーマは「読める楽しさ」としました。
もともと貴拙舎の作品制作モットーは「鑑賞者を意識する」なので、「読める」は大前提。
そこから更に楽しさを加えるため、伝統的な日本語の心地よいリズムである短歌の五七五七七を拝借しました。
五七五七七を全部足すと31音で、これを三十一文字(みそひともじ)と呼びますが、これを作品名に加えた次第です。
書道は伝統的に漢詩を素材とすることが多いのですが、この作品も難しい漢字の羅列で「私には無理…」と心のシャッターが閉じそうになる刹那、、、
「麻婆豆腐!?」
「餃子!?」
みたいな発見で、降りてしまった心のシャッターが再度開くような仕組みを作ったつもりです。
それをつなげて読んでみると、、、
バンバンジー
マーボードーフ
ホイコーロー
ピータンシュウマイ
テッカンノンチャ
という五七五七七のリズムで読める気付きにまで至ってくれると嬉しいな、っていう気持ちで制作しました。
以下、続きを記すと、、、
トンポーロー
サンラータンメン
ユーリンチー
ギョーザチャーハン
チンタオビール
ショーコーシュ
チンジャオロースー
テンシンハン
スブタパイコー
ペキンダック
ハッポウサイ
クロウーロンチャ
タンタンメン
ザーサイマントウ
アンニンドーフ
ってな具合です。
一応、前菜系や辛いもので食欲増進、酒を変えたり口直しを挟んだりでメインを平らげつつ、デザートで〆る構成にしたつもりです。
引首印には腹一杯の人、落款印には魯石の「魯」を押すって決めていたので、繰り返しの重点に余白ができる棒々鶏と担々麺はこの位置で確定。
あとは「麺」「飯」「鶏」といった複数文字が紙面に散るように、料理名の位置を微調整しました。
最後に雷文(赤い渦巻き模様)を加えて、、、
腹一杯の人と共にユーモア感を増幅させて完成しました。
「今日は中華が食べたくなりました」
「声に出してリズムを楽しみました」
「あーーっ、餃子だ!」(小学生(笑))
どれも嬉しい感想です。
、、、
書道作品の鑑賞方法でよく、「読めなくても文字の造形を楽しんで下さい」っていう解説があります。
一方で書道初心者から聞かれる圧倒的質問は、「これって何て書いてあるんですか?」というもの。
つまり書者は文字造形を見て欲しくて、鑑賞初心者は書かれた内容(文学)が知りたい。
、、、全く噛み合わないまま終わるんです(笑)
書者は「文学を味わいたいなら本でも読んどけ!」
鑑賞初心者は「読める字を書いてくれなきゃ無理!」
っていう平行線(^◇^;)
それを解決する制作方法を模索しました。
鑑賞初心者は読めることで安心し、ようやく文字造形の鑑賞に辿り着けます。
「横長のビョーンっていう文字が中華な感じでいいね」(隷書)
まずはそんな感想を頂きたくて制作しました。
「高く心を悟りて俗に帰るべし」
ホントの達人は難しいことを噛み砕いて、簡単に教えてくれます。
そんな人に少しでも近づきたいと思って制作したシュージのセンセでした。
ご来場、ありがとうございました。
<(_ _)>